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サラリーマンとして働きながら農業にも取り組んでいると、「兼業農家は節税しやすい」と聞くことがあるかもしれません。たしかに、農業にかかった費用を必要経費として整理したり、青色申告を活用したりすることで、税負担を抑えられる可能性はあります。
ただし、だれでも同じように節税できるわけではありません。 農業の所得が事業所得として整理できるのか、雑所得として扱われるのかによって、使える制度は変わります。赤字が出た場合でも、給与所得と損益通算できるケースと、できないケースがあります。
このページでは、サラリーマンの兼業農家が押さえておきたい節税の基本から、確定申告で迷いやすいポイント、そしてどんな場合に顧問税理士へ相談したほうがよいのかまで、わかりやすく整理していきます。
サラリーマンの兼業農家にとって、節税の中心になるのは主に次の4つです。
ただ、これらは単に「農業をしているから使える」というものではありません。節税効果を左右するのは、所得区分と記帳の精度です。たとえば、農業による所得が事業所得として認められるのか、それとも雑所得として扱われるのかで、申告の考え方は大きく変わります。
このため、ネットで見かけた節税策をそのまま当てはめるのではなく、まずはご自身の状況でどこまで使えるのかを確認することが大切です。
節税の前提になるのは、「制度名」ではなく「その制度の前提条件を満たしているか」です。 兼業農家の税務では、所得区分、帳簿の保存、経費の根拠づけがそのまま税額差につながりやすくなります。
会社員の場合、「年末調整を受けているから確定申告は不要」と思われがちですが、兼業農家ではそうとは限りません。
1か所から給与を受けて年末調整を受けている方でも、給与所得や退職所得以外の所得の合計が20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です。
農産物の販売収入がある、業務委託の副業収入もある、といったケースでは、農業の所得だけでなくそのほかの副収入も含めて確認する必要があります。
20万円以下だから何もしなくてよい、と考えるのは早計です。医療費控除やふるさと納税、住宅ローン控除の初年度などで確定申告をする場合は、20万円以下の副収入もあわせて申告しなければなりません。
また、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になることがあります。会社に副業が知られたくないと考えている方ほど、この点は早めに確認しておきたいところです。
農業で赤字が出た場合、その赤字を活かせるかどうかは所得区分によって変わります。事業所得として認められ、損益通算の対象になる場合は、給与所得と通算できる可能性があります。一方で、雑所得の赤字はほかの所得と相殺できません。
赤字だから申告しなくてよい、とは考えないほうが安全です。
兼業農家でまず見直したいのが、農業にかかった費用をきちんと経費にできているかどうかです。たとえば、次のような支出は農業との関連が明確であれば必要経費になる可能性があります。
一方で、自宅の通信費や車両費、水道光熱費などは、生活費と事業用の支出が混ざりやすい項目です。このような支出は、農業に使った部分だけを切り分ける家事按分が必要になることがあります。
青色申告の承認を受けている場合は、一定の要件を満たすことで青色申告特別控除を受けられます。記帳の方法や申告方法によって、10万円、55万円、65万円の控除があります。
「青色申告にすれば65万円控除」とひとくくりにされがちですが、実際には要件があります。帳簿の作り方や提出方法まで含めて準備しないと、想定していた控除額を受けられないこともあります。
兼業農家の節税は、農業そのものの経費だけで決まるわけではありません。医療費控除や生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済等掛金控除など、もともと使える控除を見直すだけでも納税額が変わることがあります。
本業の年末調整で反映されていない控除がある場合は、確定申告でまとめて整理したほうがよいでしょう。
農業で設備投資が重なった年や、売上より先に支出が発生した年は、赤字になることがあります。このときに重要なのが、その赤字が給与所得と通算できるかどうかです。
ここは節税の効果が大きく出るポイントですが、そのぶん判断を誤りやすいところでもあります。次の章で詳しく見ていきます。
所得税では、赤字が出たら何でもほかの所得と相殺できるわけではありません。損益通算の対象になるのは、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得など、一定の所得に限られています。
そのため、兼業農家で農業の所得が事業所得として整理できるかどうかが大きな分かれ目になります。
農業による収入があっても、規模や継続性、記帳の状況などによっては、事業所得ではなく雑所得と判断されることがあります。この場合、たとえ赤字が出ても給与所得との損益通算はできません。
「兼業農家なら赤字を給与と通算できる」と思い込んで申告してしまうと、後から修正が必要になるおそれがあります。
近年は「300万円を超えたら事業所得」「300万円以下なら雑所得」といった形で紹介されることもありますが、実務ではそこまで単純ではありません。収入規模だけでなく、営利性や継続性、帳簿書類の保存状況なども判断材料になります。
とくに本業が忙しい会社員の場合、実態として農業にどれだけ事業性があるのか、帳簿や証憑をどこまで整えられているかが重要です。
損益通算は節税効果が大きい一方で、誤った判断をすると影響も大きくなります。給与収入が高い方ほど、1つの判定違いで税額差が大きくなりやすいため、迷う段階で顧問税理士へ相談しておくほうが結果的にスムーズです。
損益通算の可否は、「赤字かどうか」だけで決まりません。農業の事業性、帳簿の保存状況、家事按分の考え方まで含めて整理する必要があります。
ご自身のケースで損益通算が使えるか迷う場合は、税理士に確認してから申告を進めたほうが安心です。
農業に直接必要な支出は、比較的整理しやすい項目です。たとえば、肥料や農薬、苗、出荷資材、作業に必要な消耗品などは、用途が明確であれば経費として考えやすいでしょう。
また、農機具やビニールハウスなどの設備関係は金額によって処理方法が変わることがあります。購入した年に全額経費になるとは限らず、減価償却で数年にわたって費用化するケースもあります。
迷いやすいのは、私生活と共通する費用です。たとえば次のようなものは、全額を経費にする前に慎重な判断が必要です。
これらは農業に使った割合を合理的に説明できるようにしておく必要があります。按分の根拠があいまいだと、後から説明しづらくなります。
兼業農家では、経費ばかりに意識が向きがちですが、収入側の整理も重要です。補助金や給付金、自家消費した農産物の扱いなどは、内容によって考え方が変わることがあります。
「売っていないから収入ではない」とは限らない項目もあるため、売上だけを見て判断しないほうが安全です。
青色申告のメリットとしてよく知られているのが青色申告特別控除ですが、控除額は一律ではありません。帳簿の作成方法や申告方法によって、受けられる控除額は変わります。
とくに「65万円控除を見込んでいたのに、実際には10万円または55万円だった」というズレは起こりがちです。節税効果を正しく見積もるには、申告直前ではなく、記帳の段階から準備しておく必要があります。
青色申告には、青色申告特別控除のほかにも、一定の条件のもとで赤字の繰越しや青色事業専従者給与などを検討できるメリットがあります。
ただし、家族に給与を払えば自動的に節税できるわけではありません。青色事業専従者給与には、年齢や従事期間、ほかの扶養との関係など条件があります。ご家族が会社勤めをしているケースなどでは、そのまま当てはまらないこともあります。
青色申告は、やりたくなったタイミングですぐ適用されるわけではありません。承認申請書の提出期限があり、時期を逃すとその年は白色申告になることがあります。
「今年からしっかり節税したい」と考えるなら、申告の時期ではなく、できるだけ早い段階で顧問税理士に相談して体制を整えるほうが効果的です。
申告時期になって慌てないためには、年間を通じて書類を集めておくことが大切です。たとえば、売上がわかる資料、領収書やレシート、通帳、クレジットカード明細、補助金の通知書、農機具の購入資料などは早めに整理しておきたいところです。
会社員の方は、本業の源泉徴収票に加えて、農業分の収入と経費を整理する必要があります。本業と兼業の支出が混ざると、後で見直すだけでも大きな手間になります。
口座やクレジットカードを分けられるなら、それだけでもかなり管理しやすくなります。
収入も支出も少なく、論点が単純であれば、ご自身で申告できる場合もあります。ただ、次のようなケースでは早めに専門家へ相談したほうが安心です。
節税をしたいからこそ、申告ミスや過大計上は避けたいところです。本業が忙しい方ほど、自己流で進める負担は大きくなりやすいといえます。
本業が忙しい方ほど、申告の直前で一気に整理しようとすると無理が出やすくなります。 帳簿づけや証憑の残し方を早い段階で整えておくと、毎年の負担がかなり変わります。
給与収入が高い方は、所得区分や経費計上の考え方が1つ変わるだけでも、税額差が大きくなりやすくなります。節税余地がある一方で、誤った処理をしたときの影響も大きくなります。
ネット上の情報だけでは、ご自身のケースにそのまま当てはまるとは限りません。とくに、損益通算や家事按分は個別事情の影響が大きい論点です。
補助金の扱い、農機具の減価償却、専従者給与などは、処理を誤ると後から修正が必要になることがあります。単年の申告だけでなく、翌年以降にも影響するため、最初の整理が重要です。
平日は会社勤務、休日に農業という生活では、帳簿づけや書類整理まで手が回らないことも少なくありません。顧問税理士に継続して相談できる体制があると、申告の時期だけでなく、年間を通じて判断しやすくなります。
兼業農家の税務は、「経費を増やすこと」だけがポイントではありません。所得区分や按分、減価償却、補助金の扱いなど、判断が分かれる部分を適切に整理することが大切です。
顧問税理士に相談すれば、節税できるかどうかだけでなく、その処理で問題がないかまで確認しやすくなります。
顧問契約のメリットは、申告書の作成だけではありません。日々の記帳や証憑の残し方、経費の整理方法を早い段階で決めておくことで、申告時期の負担が大きく変わります。
本業と農業を両立している方にとって、毎年の申告準備を効率化できるのは大きなメリットです。
兼業で始めた農業でも、売上が増えたり、設備投資が増えたりすると、税務の考え方は少しずつ複雑になります。将来的に規模拡大を考えている場合も、早めに相談先を決めておくと安心です。
申告のたびに単発で調べ直すより、継続して状況を把握してくれる顧問税理士がいるほうが、判断も早くなります。
兼業農家の税務は、「申告をする」だけでなく「どう整理するか」で納税額も手間も変わります。
とくに、損益通算の可否、補助金、家族への給与、設備投資が絡む場合は、一度プロに整理してもらうのが近道です。
いいえ、必ずとは限りません。農業の赤字を給与所得と損益通算できるのは、農業の所得が事業所得として認められるなど、一定の条件を満たす場合です。雑所得として扱われる場合は、給与所得との通算はできません。
条件を満たせば所得税の確定申告が不要となることはありますが、医療費控除などで確定申告をする場合は20万円以下の副収入もあわせて申告する必要があります。また、住民税の申告が必要になるケースもあります。
条件を満たせば青色事業専従者給与として認められる可能性がありますが、年齢や従事期間、扶養との関係など要件があります。形式だけで判断せず、事前に確認したほうが安心です。
論点が単純で、その年だけの申告相談で足りる場合はスポット相談で対応できることもあります。一方で、兼業農家のように帳簿づけや按分、設備投資、補助金対応などが続く場合は、顧問契約のほうが管理しやすいケースが多いでしょう。
サラリーマンの兼業農家でも、必要経費の整理や青色申告の活用によって節税できる可能性はあります。ただし、実際の効果は、農業の所得区分や記帳の状況、家事按分の有無などによって大きく変わります。
とくに、損益通算を考えている方、補助金や設備投資がある方、家族への給与を検討している方は、自己判断で進めないほうが安全です。申告期限が近づいてから慌てるのではなく、早めに顧問税理士へ相談しておくことで、節税の取りこぼしと申告リスクの両方を抑えやすくなります。
「自分の場合、どこまで経費にできるのか」「損益通算の対象になるのか」を整理したい方は、まずは顧問税理士に相談してみてはいかがでしょうか。
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