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サラリーマンがマイクロ法人で資産運用をするメリットは?

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目次
マイクロ法人で失敗しない判断基準

本業の給与に加えて、副業、不動産、資産運用などの収入が増えてくると、「個人のままで受け取っていてよいのか」「法人を作った方が税金を抑えられるのではないか」と考える場面が出てきます。

その選択肢のひとつが、いわゆるマイクロ法人です。

ただし、マイクロ法人は「作れば節税できる」という単純なものではありません。法人を設立すれば、税金の計算だけでなく、役員報酬、社会保険、会計処理、勤務先との関係、登記情報の公開といった論点も増えます。

特に会社員の場合、本業の給与があるため、個人と法人をどう分けるか、勤務先にどう見えるか、役員報酬をどう設計するかで結果が大きく変わります。

この記事では、マイクロ法人の設立を検討している会社員に向けて、メリットだけでなく、費用・手続き・注意点まで整理します。「自分の場合、本当に設立する意味があるのか」を考えるための材料として、参考にしてください。

この記事で分かること

マイクロ法人を設立するかどうかは、税率だけでは判断できません。

個人の所得税は、課税所得が大きくなるほど税率が上がります。一方で、法人税は一定の税率で計算されます。そのため、本業の給与に加えて副業や資産運用の利益が増えている人は、法人を使うことで所得の受け方を見直せる場合があります。

ただし、法人には固定費があります。赤字でも発生する法人住民税の均等割、会計ソフト代、税理士報酬、決算申告の手間などを含めて考えないと、「税金は減ったのに、手残りは増えていない」ということも起こります。

また、会社員の場合は勤務先との関係も重要です。副業・兼業そのものが一律に禁止されているわけではありませんが、実際にどこまで認められるかは勤務先の就業規則や届出ルールによって変わります。

マイクロ法人は、設立することよりも、設立前にどこまで設計できるかが大切です。

マイクロ法人は、税率だけで判断せず、個人と法人を合わせた手残りで見ることが大切です。 会社員は、勤務先の就業規則や副業規程、固定費、社会保険、役員報酬まで設立前に試算しておきましょう。

税理士からのコメント MONEY BRAIN
中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

マイクロ法人の相談では、「法人税率の方が低いから得をするのでは」と考える方が少なくありません。ただ、実際には法人の維持費や社会保険、役員報酬の決め方まで含めて見る必要があります。設立前に一度数字を整理しておくと、作った方がよいケースと、まだ個人のままでよいケースを分けやすくなります。

中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

そもそもマイクロ法人とは?

少人数で運営する小規模法人の通称

マイクロ法人とは、代表者1人、または家族など少人数で運営する小規模な法人の通称です。法律上「マイクロ法人」という会社形態があるわけではありません。実際には、株式会社や合同会社など、通常の法人として設立します。

たとえば、会社員が副業収入を管理するために合同会社を作る、不動産収入や資産運用を法人で管理する、といったケースがマイクロ法人と呼ばれることがあります。

法人としての経理・申告が必要になる

法人を作ると、個人とは別の人格を持つことになります。法人口座を開き、法人名義で契約し、法人として経理を行い、毎期決算と申告をします。

規模が小さくても、法人である以上、会社としての管理は必要です。「自分ひとりの会社だから」「売上が少しだけだから」と考えて、法人のお金と個人のお金を混ぜてしまうと、後で説明が難しくなります。

役員報酬として受け取るお金、法人に残すお金、経費にできる支出を分けて考える必要があります。

マイクロ法人は法律上の会社形態ではなく、小規模法人の通称です。 ひとり会社でも、法人としての経理・申告・管理が必要で、個人のお金と法人のお金は分けて扱います。

個人事業主との違い

始めやすいのは個人事業主

副業や資産運用をしている人がまず比較するのは、個人事業主として続けるか、法人にするかです。

個人事業主は、開業届を出せば始められます。会計や申告も、法人に比べればシンプルです。副業の規模がまだ小さい段階では、個人事業主のまま進めた方が負担は軽くなります。

法人は設計の幅が広がる一方、管理責任も重くなる

一方で、利益が増えてくると、個人の所得税・住民税の負担が重く感じられることがあります。給与所得に副業所得や不動産所得などが加わると、全体の課税所得が高くなりやすいためです。

法人の場合は、法人税の計算になり、役員報酬の設計や経費の扱いも変わります。ただし、法人住民税、決算申告、社会保険の手続きといった負担も出てきます。

始めやすいのは個人事業主です。設計の自由度が高い反面、管理責任が重くなるのが法人です。どちらが有利かは、売上ではなく利益、経費、家族構成、本業の給与、社会保険、今後の収益見通しまで含めて判断します。

個人事業主は始めやすく、法人は設計の幅が広がる一方で維持費と手続きが増えます。 売上ではなく、利益と手残りで比較することが大切です。

マイクロ法人を検討する人に多い悩み

給与以外の収入が増えて税負担が気になっている

給与だけでなく、副業収入、不動産収入、配当収入などが増えてくると、確定申告の内容も複雑になります。収入が増えること自体は良いことですが、税負担も重くなります。

そのため、「このまま個人で受け取っていてよいのか」「法人を使えばもう少し整理できるのではないか」と考えるようになります。

副業や不動産収入を個人で管理し続けてよいか迷っている

副業や不動産投資が小さいうちは、個人のまま管理しても大きな問題はないかもしれません。しかし、収入が継続して発生するようになると、経費の管理、損益の整理、将来の資産移転まで考える必要が出てきます。

ただし、副業収入や不動産収入があるからといって、すぐ法人化すべきとは限りません。法人を作ると、会計処理や申告、社会保険などの手続きが増えるからです。「税金が下がるか」だけでなく、「管理コストをかける意味があるか」まで見る必要があります

勤務先に知られる経路や就業規則が不安

会社員がマイクロ法人を検討するときに気になりやすいのが、勤務先との関係です。副業が認められているか、他社の役員就任が制限されていないか、本業と競合しないかは、設立前に確認した方がよいでしょう。

また、法人を作ると登記情報が外部から確認できる状態になります。完全に見えない形で法人を持つことは難しいため、隠すことよりも、勤務先の規程に照らして説明できる状態にしておくことが大切です。

役員報酬と社会保険の設計が分からない

法人化すると、自分に役員報酬をいくら支払うかを決める必要があります。役員報酬は、税金だけでなく社会保険料にも影響します。

本業の勤務先とマイクロ法人の両方から報酬を受ける場合、二以上事業所勤務の手続きが関係することもあります。ここは自己判断だけで進めず、必要に応じて税理士や年金事務所、社労士に確認したい部分です。

マイクロ法人の悩みは、単に「税金を減らしたい」だけではありません。 給与以外の収入管理、勤務先への見え方、役員報酬と社会保険の設計まで含めて判断しましょう。

税理士からのコメント MONEY BRAIN
中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

会社員のマイクロ法人では、税金だけでなく「勤務先との関係」と「社会保険」が大きな論点になります。特に役員報酬を出す場合、所得税や住民税だけでなく、社会保険料にも影響します。設立前に、収入の種類と報酬設計を分けて整理することが大切です。

中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

マイクロ法人の設立を検討しやすい人

利益が継続しており、今後も収益が見込める人

マイクロ法人が向いている可能性があるのは、副業や資産運用の利益が継続しており、今後も収益が見込める人です。

たとえば、コンサルティング、業務委託、不動産賃貸、Webメディア運営、投資関連の収入などがあり、個人の所得として受け取り続けるよりも、法人で管理した方がよいかもしれない段階です。

法人と個人のお金を分けて管理できる人

ただし、大事なのは収入ではなく利益です。売上が大きくても、外注費、仕入れ、広告費などで利益があまり残らない場合、法人の維持費に負けてしまいます。

また、法人を作るなら、お金の管理を分けられることも条件です。法人用の口座、カード、請求書、領収書、契約書を整える必要があります。

会社員の場合は、勤務先の就業規則も確認しておきましょう。副業が認められているか、他社役員への就任が制限されていないか、本業と競合しないか。ここを曖昧にしたまま進めるのは避けたいところです。

副業・不動産・資産運用の利益が継続している人は、マイクロ法人を検討する余地があります。 ただし、売上ではなく、法人の固定費を差し引いた利益で考えることが前提です。

マイクロ法人を設立しても得しにくい人

利益が少ない、または不安定な人

マイクロ法人を作らない方がよい人もいます。まず、利益が少ない人です。法人は設立時にも費用がかかり、設立後も毎年コストが発生します。法人住民税の均等割は、赤字でも発生する固定費です。

利益が不安定な人も注意が必要です。今年だけ収入が多かった、来年以降はどうなるか分からない、という段階で法人化すると、売上が落ちた後も維持費だけが残ることがあります。

経理や勤務先リスクを整理できていない人

経理が苦手な人も慎重に考えた方がよいでしょう。法人では、個人の生活費をなんとなく経費にすることはできません。法人のお金を個人で使えば、役員貸付金や役員報酬などの問題につながることがあります。

勤務先に知られるリスクを整理できていない人も、設立を急がない方が安全です。会社・法人の登記事項証明書は、所定の手数料を納めれば誰でも請求できます。また、法人番号公表サイトでは、法人の商号・本店所在地・法人番号が公表されます。

「絶対に誰にも分からないようにしたい」という前提で法人を作るのは現実的ではありません。隠すことより、説明できる状態にしておくことが大切です。

利益が少ない段階や、一時的な収入増だけでの法人化は慎重に判断しましょう。 経理や証憑管理、登記情報や法人番号の公開も前提にする必要があります。

税理士からのコメント MONEY BRAIN
中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

マイクロ法人は、維持コストを軽く見てしまうと失敗しやすいです。法人住民税や税理士報酬、会計処理の手間は毎年の負担として残ります。節税額だけでなく、「毎年いくら払って、最終的にいくら残るのか」を確認してから判断するのが安全です。

中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

マイクロ法人を設立するメリット

個人と法人を分けて収入を管理できる

マイクロ法人のメリットは、個人と法人を分けて収入や資産を管理できることです。

本業の給与に加えて副業や資産運用の利益が増えている場合、個人側に所得が集中すると税負担が重くなりやすくなります。法人を活用することで、収入の受け皿を分け、役員報酬や法人に残す利益を設計する余地が生まれます。

経費や契約の見え方を整理しやすくなる

また、法人として事業に必要な費用を計上できる点もメリットです。会計ソフト、業務用PC、外注費、通信費、打ち合わせ費用など、事業との関連性を説明できる支出は法人の経費として扱える場合があります。

ただし、法人にしたからといって何でも経費にできるわけではありません。個人的な飲食、家族旅行、生活費などを法人経費にすることはできません。ここを誤ると、税務調査で否認されるリスクがあります。

法人名義で契約しやすくなる点もメリットです。取引先によっては、個人より法人の方が契約しやすい場合があります。法人口座や法人名義の請求書を使えることで、事業としての見え方も整います。

資産管理会社として使う場合は、不動産や有価証券などの管理を法人に寄せることで、将来の承継を見据えた設計ができる場合もあります。ただし、この領域は個別性が高く、単純に「法人の方が有利」とは言い切れません。

マイクロ法人のメリットは、個人と法人で収入や資産の管理を分けられることです。 役員報酬、法人に残す利益、法人名義の契約や請求書などを整理しやすくなります。

税理士からのコメント MONEY BRAIN
中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

マイクロ法人のメリットは、単に税金を下げることだけではありません。収入の受け皿を分けること、経費や契約を整理すること、将来の資産管理を考えやすくすることもメリットです。ただし、実態のない経費計上や役員報酬は問題になり得るため、法人として説明できる形にしておく必要があります。

中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

マイクロ法人のデメリット・注意点

設立費用と毎年の維持費がかかる

マイクロ法人のデメリットは、設立した瞬間から管理が必要になることです。

まず、設立費用がかかります。登録免許税は、株式会社の場合は資本金の額の1,000分の7で、15万円に満たないときは15万円。合同会社の場合は資本金の額の1,000分の7で、6万円に満たないときは6万円です。

設立後も、法人住民税の均等割、会計ソフト代、税理士報酬、決算申告の手間が発生します。法人は個人事業の延長ではありません。小さくても会社です。

役員報酬と社会保険の設計が必要になる

役員報酬にも注意が必要です。役員給与は、定期同額給与、事前確定届出給与、一定の業績連動給与のいずれにも該当しないものは、原則として法人側で損金算入できません。利益が出たから今月だけ増やす、資金繰りが厳しいから急に下げる、といった扱いは慎重に考える必要があります。

社会保険も大きな論点です。法人事業所で常時従業員を使用する事業所は、事業主のみの場合を含め、厚生年金保険および健康保険への加入が義務づけられています。会社員が本業の勤務先とマイクロ法人の両方から報酬を受ける場合、二以上事業所勤務の手続きが必要になることがあります。

この部分は自己判断だけで進めない方が安全です。税理士だけでなく、必要に応じて年金事務所や社労士にも確認しましょう。

マイクロ法人では、設立費用・維持費・役員報酬・社会保険まで含めて設計する必要があります。 税金だけでなく、毎年の手続きや社会保険の影響も見ておきましょう。

いくらからマイクロ法人を設立すると得する?

「いくらから得しますか?」という質問はよくありますが、答えはひとつではありません。

判断に必要なのは、売上ではなく利益です。さらに、本業の給与、扶養家族の有無、副業の経費、法人の維持費、役員報酬、社会保険料、消費税の扱いまで関係します。

たとえば、年間の副業利益が一定額あっても、法人化によって毎年の固定費が増えれば、手残りが減ることがあります。反対に、個人側の所得がすでに高く、今後も副業利益が安定して見込める場合は、法人化によって設計の余地が生まれることもあります。

比較するときは、少なくとも次の項目を見ます。

この合計で比較しないと、実際に得かどうかは分かりません。

特に、役員報酬の設計は重要です。役員報酬を高くすれば、個人側の所得や社会保険料に影響します。低くすれば法人に利益が残りますが、そのお金をどう使うのか、将来どう取り出すのかも考える必要があります。

「法人税率の方が低いから得」という考え方だけでは危険です。法人と個人を合わせた手残りで見ましょう。

合同会社と株式会社、どちらが向いている?

マイクロ法人では、合同会社が選ばれることがよくあります。理由は、設立費用を抑えやすいからです。

登録免許税だけで見ると、合同会社は最低6万円、株式会社は最低15万円です。株式会社では定款認証などの手続きも必要になるため、設立時の負担は合同会社の方が軽くなりやすいです。

一方で、株式会社には対外的な信用や知名度があります。取引先や金融機関からの見え方を重視する場合、株式会社を選ぶ意味もあります。

会社員が副業や資産管理を目的に小さく始めるなら、まずは合同会社が候補になりやすいでしょう。外部から出資を受ける予定がある、将来的に事業を大きくする予定がある、対外的な見え方を重視したい場合は、株式会社も検討します。

形式だけで選ばず、法人を何のために使うのかで決めましょう

小さく始めるなら合同会社が候補になりやすく、対外的な信用や見え方を重視するなら株式会社も選択肢です。 設立費用だけでなく、法人の目的に合う形を選びましょう。

マイクロ法人設立の流れ

マイクロ法人の設立は、大きく次の流れで進みます。

  1. 会社の基本事項を決める
  2. 株式会社か合同会社かを選ぶ
  3. 定款を作成する
  4. 資本金を払い込む
  5. 法務局で設立登記を行う
  6. 税務署・年金事務所などへ必要な届出を行う
  7. 法人口座、会計ソフト、請求書や契約書を整える

まず、会社の基本事項を決めます。商号、本店所在地、事業目的、資本金、役員、決算月などです。

次に、株式会社か合同会社かを選び、定款を作成します。株式会社の場合は公証役場での定款認証が必要です。合同会社の場合、定款認証は不要です。

その後、資本金を払い込み、法務局で設立登記を行います。登記が完了すると、法人として成立します。

ただし、登記が終わればすべて完了ではありません。法人設立後は、税務署への届出が必要です。法人設立届出書は、設立登記の日以後2か月以内に提出します。青色申告の承認を受けたい場合は、設立の日以後3か月を経過した日と、設立第1期の事業年度終了の日のうち、いずれか早い日の前日までに申請が必要です。

役員や従業員に報酬・給与を支払う場合は、給与支払事務所等の開設届出書も関係します。給与支払事務所等を設けた日から1か月以内に提出する手続きです。

さらに、社会保険の手続き、法人口座の開設、会計ソフトの準備、請求書や契約書の整備も必要です。

マイクロ法人は、作るだけならそれほど難しくないかもしれません。難しいのは、作った後にきちんと運用することです

設立登記が終わっても、税務署・年金事務所などへの届出、法人口座、会計、請求書、契約書の整備が必要です。 作る前に、設立後の運用まで見ておきましょう。

税理士からのコメント MONEY BRAIN
中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

マイクロ法人は、箱だけ先に作ると使いにくくなることがあります。会社形態、事業目的、決算月、役員報酬、社会保険の扱いは、設立前に整理しておくのが安全です。登記後の届出も期限があるため、手続きの順番まで確認しておきましょう。

中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

会社員が設立前に確認したいチェックリスト

マイクロ法人を設立する前に、少なくとも次の点は確認しておきましょう。

特にインボイス制度は、BtoBの副業をしている人に関係しやすい論点です。適格請求書発行事業者の登録を受けると、基準期間の課税売上高などが1,000万円以下であっても、消費税の納税義務が免除されない場合があります。

取引先からインボイス登録を求められる可能性があるなら、消費税の申告・納税も含めて考えておきましょう。

会社員がマイクロ法人を設立する前は、就業規則・副業申請・本業との競合・登記情報の公開・インボイス登録の要否まで確認しましょう。

マイクロ法人の設立は税理士に相談すべき?

マイクロ法人は、自分で設立することもできます。会社設立サービスや会計ソフトを使えば、手続き自体は進められるでしょう。

ただ、会社員がマイクロ法人を作る場合、相談した方がよい部分は少なくありません。

一番大きいのは、設立後の設計です。

どのくらいの利益なら法人化する意味があるのか。役員報酬をいくらにするのか。法人に利益を残すのか、個人で受け取るのか。社会保険はどうなるのか。副業収入や不動産収入をどのように整理するのか。

このあたりは、テンプレートだけでは判断しにくい部分です。

マイクロ法人は、設立してから考えるより、設立前にシミュレーションした方が失敗を避けやすくなります。作った後に、役員報酬の設計を間違えた、思ったより固定費が重かった、社会保険の手続きを想定していなかった、ということになると修正が大変です。

税理士に相談する場合は、次の資料を用意しておくと話が進みやすくなります。

相談の目的は、税理士に丸投げすることではありません。自分の場合、法人化によって何が変わるのかを数字で確認することです。

税理士へ相談する目的は、設立手続きの代行だけではありません。 役員報酬、社会保険、手残りを個別に試算し、法人化した場合の変化を数字で把握することです。

税理士からのコメント MONEY BRAIN
中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

税理士に相談する意味は、設立を前提に話を進めることだけではありません。今は個人のままでよいのか、数年後に法人化した方がよいのか、そもそも別の方法がよいのかを比較できます。マイクロ法人は一度作ると維持費もかかるため、設立前のシミュレーションが特に重要です。

中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

迷ったら、設立前にシミュレーションを行いましょう

マイクロ法人は、うまく使えば税務や資産管理の選択肢を広げられます。一方で、設立費用や維持費、社会保険、会計処理、勤務先との関係など、考えるべきことも多くあります。

大切なのは、「設立できるか」ではなく、「自分の場合、設立する意味があるか」です。

給与以外の収入が増えてきた。副業や不動産収入を個人で持ち続けてよいか迷っている。勤務先にどう見えるのか不安がある。ネットで調べても、自分に当てはまるのか分からない。こうした悩みがあるなら、いきなり会社を作るのではなく、まずは現状を整理するところから始めましょう。

マイクロ法人は、作ることがゴールではありません。個人のままの方がよいのか。法人を使った方がよいのか。今すぐ設立すべきなのか、数年後でよいのか。そこを見極めることが、最初の一歩です。

ネット上の一般論をそのまま自分に当てはめず、収入の種類、利益、固定費、勤務先ルールで判断しましょう。 作った後に修正するより、作る前に設計する方が選択肢が多く残ります。

税理士からのコメント MONEY BRAIN
中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

マイクロ法人は、作った後に「思ったほど使い道がなかった」となるケースもあります。大切なのは、設立する前に、個人のままの場合と法人を使う場合を数字で比べることです。迷っている段階で相談していただく方が、設立後に修正するよりも選択肢が多く残ります。

中山先生
トランス税理士法人・代表 中山慎吾氏

ケース別で解決!
マイクロ法人の設立に関するQ&A

ここでは、マイクロ法人の設立について特によく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。検討段階でつまずきやすいポイントを、できるだけわかりやすく整理しています。

Q.

会社員でもマイクロ法人を設立できますか?

中山慎吾氏の画像

トランス税理士法人
中山慎吾氏

会社員でも、マイクロ法人を設立すること自体は可能です。ただし、勤務先の就業規則で副業や役員就任に関する制限がある場合があります。設立前に、勤務先のルールは確認しておきましょう。

また、法人を作ると、税務申告や社会保険などの手続きが発生します。設立できるかだけでなく、設立後にきちんと管理できるかも考える必要があります

Q.

マイクロ法人はいくらの収入から検討すべきですか?

中山慎吾氏の画像

トランス税理士法人
中山慎吾氏

明確な基準はありません。見るべきなのは、売上や年収だけではなく、給与以外の利益があるか、法人で管理したい収入や資産があるか、設立・維持コストを差し引いてもメリットがあるかです。

副業収入や不動産所得が継続的にある人は、検討する余地があります

Q.

給与以外の収入がある場合、マイクロ法人を作った方がよいですか?

中山慎吾氏の画像

トランス税理士法人
中山慎吾氏

給与以外の収入があるからといって、必ず作った方がよいとは限りません。副業収入、不動産収入、配当収入、株式売却益などは、それぞれ税金の扱いが異なります。

個人で受け取る方がよい場合もあれば、法人を使った方が整理しやすい場合もあります。まずは、収入の種類ごとに分けて試算することが大切です

Q.

株式会社と合同会社ではどちらが向いていますか?

中山慎吾氏の画像

トランス税理士法人
中山慎吾氏

設立費用を抑えたい場合は、合同会社が選ばれることがあります。一方、外部からの信用や将来的な展開を重視する場合は、株式会社を選ぶケースもあります。

副業や資産管理を目的に小さく始めるなら、合同会社で足りることもあります。ただし、事業内容や将来の方針によって向き不向きが変わるため、設立前に確認しておきましょう。

Q.

マイクロ法人の設立費用はいくらかかりますか?

中山慎吾氏の画像

トランス税理士法人
中山慎吾氏

株式会社の場合、登録免許税は資本金の0.7%で、15万円に満たない場合は15万円です。合同会社の場合は資本金の0.7%で、6万円に満たない場合は6万円です。

株式会社では、定款認証手数料も必要になります。このほか、司法書士に依頼する場合の報酬、印鑑作成費、専門家への相談料などがかかることがあります。

Q.

設立後は毎年どのくらい維持費がかかりますか?

中山慎吾氏の画像

トランス税理士法人
中山慎吾氏

主な維持費には、税理士報酬、会計ソフト代、法人住民税、社会保険料などがあります。法人住民税の均等割は、赤字でも発生する点に注意が必要です。

また、申告や会計処理の手間もあります。設立前には、節税できる金額だけでなく、毎年かかるコストも含めて試算しましょう

Q.

マイクロ法人を作ると必ず節税になりますか?

中山慎吾氏の画像

トランス税理士法人
中山慎吾氏

必ず節税になるわけではありません。法人化によって税負担が下がる場合もありますが、設立費用、維持費、社会保険料、法人から個人へお金を移すときの税金まで含めると、思ったほどメリットが出ないこともあります。

マイクロ法人は、税率だけで判断しないことが大切です

Q.

家族を役員にして役員報酬を支払えますか?

中山慎吾氏の画像

トランス税理士法人
中山慎吾氏

家族を役員にして、役員報酬を支払うことは可能です。ただし、実際に業務をしていること、報酬額が業務内容に見合っていることが大切です。

実態のない報酬や高すぎる報酬は、税務上問題になる可能性があります。家族へ報酬を支払う場合は、業務内容や報酬額の根拠を説明できるようにしておきましょう

Q.

会社にバレるのはどんな時ですか?

中山慎吾氏の画像

トランス税理士法人
中山慎吾氏

住民税の通知、社会保険の手続き、登記情報、法人番号公表サイト、SNSや知人経由など、複数の経路があります。

完全に見えない形で法人を持つのは難しいと考えておいた方がよいでしょう。大切なのは、隠すことではなく、勤務先の規程に照らして説明できる状態にしておくことです。

Q.

設立前に税理士へ相談した方がよいのはどんな人ですか?

中山慎吾氏の画像

トランス税理士法人
中山慎吾氏

給与以外の収入が増えてきた人、不動産所得や副業収入が継続している人、勤務先や社会保険が不安な人は、設立前に相談するとよいでしょう。

相談の目的は、法人化すべきか、個人のままでよいか、数年後でよいかを数字で確認することです。