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副業として不動産活用を行っている会社員は、家賃から得られた所得に応じ、確定申告が必要になることもあります。
当ページでは、会社員大家さんが確定申告をするメリット、必要経費の範囲、申告方法の種類や流れ、必要書類などについて網羅的に解説しています。
会社員としての給与のほか、家賃収入として年間20万円超の所得を得ている場合には確定申告が必要です。
家賃収入に限らず、本業以外の所得が年間20万円超であれば、確定申告をして正しく納税しなければなりません。
なお、本業からの所得に対する納税については、会社が年末調整を通じて正しく計算し申告するため、会社員個人が確定申告を行う必要はありません。
会社員が家賃収入の確定申告をするメリットは、節税に他なりません。
収益物件を活用していると、減価償却費が経費計上できますし、空室や急な修繕などで所得がマイナスになることもあります。
この場合、確定申告を行えば家賃収入のマイナス分を本業の給与に合算することが可能。家賃のマイナス分だけ年間の所得金額を抑えることができ、結果として全体的な節税につながる、という理屈です。
不動産所得とは、マンションやアパート、駐車場などの不動産を他人へ賃貸することによって得た1年間の合計所得のこと。
賃貸で得られた家賃や地代などの合計収入から必要経費を差し引いた金額が不動産所得となります。
マンションやアパート、駐車場などのほか、携帯電話会社から支払われているアンテナ基地設置料、電力会社から支払われている電柱敷地料なども不動産所得の対象となります。
不動産所得の計算において、必要経費とできる主な費用項目を見てみましょう。
不動産の維持・管理・修理などに掛かる通常の支出は、必要経費として算入可能。ただし、建物の価値を上げるための支出(資本的支出)は、修繕費として一括計上するのではなく、耐用年数に応じて減価償却費を計上することになります。
建物の購入費用を法定耐用年数で割った金額が減価償却費。たとえばRCマンションの法定耐用年数は47年なので、新築から47年後までの間は、該当する減価償却費を経費に計上することができます。
不動産管理会社等に管理業務を委託している場合には、その管理委託費も経費となります。
入居者募集などの広告宣伝に要した費用は経費に含まれます。
当該不動産を対象にした損害保険に加入した場合、その保険料は経費となります。
金融機関でローンを組んで対象不動産を購入した場合、返済において元本に上乗せされる金利部分は経費となります。ただし、不動産所得が赤字の場合は土地代に対する支払い利息は経費から除外しないといけません。
建物の建て替えなどの必要で入居者に立ち退きを依頼する際、立退料として支払ったお金が経費に含まれます。
確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。
青色申告とは、一定の要件を満たせば、最大で65万円の控除を受けられる申告方法のこと。青色申告承認申請書を税務署に提出するだけで適用されます。
一方で白色申告とは、青色申告の適用を受けていない事業者が行う申告方法。65万円の所得控除はありませんが、青色申告に比べて申告手続きが簡便であることが特徴です。
家賃収入の確定申告を行う際、どちらの申告を利用しても構いません。
確定申告を行う予定の年度の3月15日を期限に、所轄の税務署へ青色申告承認申請書を提出すれば、青色申告の該当事業者となります。
不動産所得における65万円の控除は、貸与できる部屋が約10室以上、または貸与できる独立家屋が約5棟以上であることが前提条件。帳簿の記帳方法は複式簿記であることを要します。これらの条件を満たさない場合、控除額は10万円となります。
提出書類は、確定申告書B、青色申告決算書、賃借対照表・損益計算書(65万円の控除を受ける場合)。ほかに添付書類を求められることもあります。
白色申告の事業者には、65万円の控除などは適用されませんが、簡易簿記での記帳が認められること、提出書類が確定申告書Bと収支内訳書のみで済むことなど、青色申告に比べて手続きが簡素になることが特徴です。
確定申告書をまとめる前提の情報源として、不動産活用に関連する収支の明細を帳簿に記帳します。
確定申告が近づいてからまとめて行うのは大変なので、一定期間ごとに記帳しておくようおすすめします。
帳簿に基づき、確定申告書を作成します。手書きで作成しても問題ありませんが、確定申告書作成ソフトを利用すれば、帳簿の記帳から申告書の作成までスムーズに行えます。
なお確定申告書の作成は、専門家である税理士に依頼している事業者も多く見られます。
添付書類を含め、確定申告に必要な一連の書類を税務署へ提出します。
税務署の窓口で提出しても構いませんが、郵送やe-Taxで提出することも可能。青色申告の65万円控除制度を利用する方は、e-Taxでの申告が必要です。
e-Tax以外の方法で申告した場合には、最大で55万円までの控除となります。
算出した税額に基づき、口座振替やクレジットカード、税務署窓口などを通じて納税します。
所得がマイナスとなり、本業の所得と相殺して確定申告を行った方は、後日、指定の口座に税務署から還付金が振り込まれます。
青色申告、白色申告に必要な基本的書類はすでに説明済みですが、不動産所所得のある方は、加えて次のような書類を用意しておきましょう。
不動産所得の確定申告に関する必要書類は、その他の多くの業種で必要となる書類に比べて多めです。早めにまとめておくようにしましょう。
確定申告は事業者個人が自分で行うことも可能ですが、特に初めて確定申告を行う場合、その作業はかなり煩雑であることが分かるでしょう。
もし、自分で正確に確定申告を行う自信や時間がないならば、確定申告代行サービスを利用してみてはいかがでしょうか?
確定申告代行サービスを利用すれば、煩雑な帳簿作成や確定申告書類の作成の手間が省けるため、時間の節約にもなり本業に集中することが可能。正しい書類を作成するため、節税効果も期待できます。
なお確定申告の代行は、税理士のみに認められた独占業務。確定申告に詳しい無資格の知人などに代行してもらうことは、たとえ無報酬であっても禁じられているためご注意ください。
家賃から年間20万円超の所得を得た場合には、必ず確定申告をしなければなりません。20万円超の所得がない場合でも、経費等で所得がマイナスになるならば、確定申告をして本業の給与と合算すれば節税効果が期待できます。
いずれの場合でも、確定申告に必要な計算や書類の整理などは、大変煩雑な作業。申告に要した労力や時間が本業を圧迫しては本末転倒です。
家賃収入の確定申告について不安や疑問がある方、正しく確定申告を行う自信がない方などは、ぜひ専門家の税理士へ相談してみてください。