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副業を始めたとき、まず理解しておきたいのが「所得の種類」です。副業でもアルバイトのように雇用契約を結んで働く場合は「給与所得」に分類されます。一方、ライター、デザイナー、ハンドメイド販売など、独立して報酬を受け取るような働き方は「事業所得」または「雑所得」に分類されるのが一般的です。事業規模と認められない場合は雑所得に該当する可能性もあるため、注意が必要です。
この分類は、税金の計算方法や控除の適用範囲に大きく影響します。特に事業所得として扱われる場合、経費計上が可能になり、実質的な節税効果が得られるのが大きなメリットです。反対に給与所得の場合は、年末調整である程度自動的に処理されますが、控除の範囲は限定的です。
自分の副業がどの所得区分に当たるのかを理解し、適切な申告準備をすることが、Wワークを行う上での第一歩です。
Wワークで収入が増えると、それに比例して所得税や住民税も増加します。本業では会社が源泉徴収を行い、年末調整で税額が調整されるため、基本的に自分で何かをする必要はありません。
しかし、副業による所得がある場合は確定申告を通じて本業以外の所得を合算する必要があります。その結果、総所得が増えるため、翌年に支払う住民税も上がる仕組みです。
副業を始めて収入が増えた翌年に、突然税金の通知額が上がって驚く人も少なくありません。副業を始めた段階で、翌年の住民税の増加を見越して資金を確保しておくと安心です。
副業が「事業所得」として認められる場合、節税効果を期待できるのが「経費計上」です。事業に必要な支出は経費として所得から差し引くことができるため、課税対象が減り、結果として納める税金が減ります。
例えば、自宅の一部を仕事スペースとして使っている場合は、その面積比率に応じて家賃の一部や光熱費を、スマートフォンの通信費や交通費などと含め経費にできる可能性があります。ただし、事業とプライベートの支出を明確に分けられる場合に限ると規定されているので、不安な場合は税理士に相談しましょう。
経費として認められるには「業務に関連した支出であること」を証明する必要があります。日頃からレシートや請求書を保管し、帳簿をきちんとつける習慣を身につけておきましょう。
会社員としての収入には「給与所得控除」が自動的に適用されますが、副業で得た事業所得に関しても、正しく申告することで控除が可能です。
青色申告を選ぶと、複式簿記での記帳とe-Taxによる提出など一定の要件を満たした上で、最大65万円の控除が可能です。この控除により課税所得を大きく減らすことができます。ただし、青色申告を利用するには開業届の提出が必要で、帳簿の作成や保存義務もあるため、準備が求められます。
Wワークとしてコンビニや飲食店などでアルバイトをしている場合、その収入は給与所得になります。2ヶ所以上から給与を受けていると、確定申告が必要になります。
なぜなら、年末調整は原則1社のみで行うため、他の給与所得は自分で申告しなければならないからです。所得が年間20万円を超えると申告義務が発生する点には留意しましょう。なお、住民税については20万円以下の所得であっても申告が求められる場合があるので、その点にも気をつける必要があります。
副業がフリーランスや自営業としての活動であれば、原則として「開業届」を税務署に提出し、確定申告で「事業所得」として申告するのが基本です。
この場合は青色申告の活用が非常に有効です。業務に関係のある支出は広く経費として計上可能です。副業開始時に開業届と青色申告承認申請書を提出しておけば、翌年から節税しながらしっかり稼げる体制が整います。
副業をしている会社員でも、一定の条件に当てはまると確定申告が必要になります。最も代表的なのは、副業による所得(収入から経費を差し引いた利益)が年間20万円を超えた場合です。この場合、所得税の申告が義務となります。また、複数の勤務先から給与を受け取っていて年末調整が済んでいない場合や、医療費控除・ふるさと納税などの各種控除を受けたい場合も、確定申告を行う必要があります。副業の有無にかかわらず、条件に応じて判断しましょう。
条件 | 説明 |
---|---|
副業による所得(利益)が年間20万円を超える | アルバイト、フリーランス、ネット販売などの副業が該当します。経費を差し引いたあとの「所得」が対象です。 |
複数の会社から給与を受けている | 副業先での年末調整が行われていない場合は、自分で確定申告が必要です。 |
医療費控除や住宅ローン控除を受けたい | 副業と関係なく、控除を受けるためには確定申告が必要な場合があります。 |
副業の確定申告を行うには、次のような書類と準備が必要です。
申告書作成は国税庁のツールやクラウド会計ソフトで簡単に行えます。提出方法は以下の3つです。
住民税の徴収方法には「特別徴収」と「普通徴収」の2種類があります。特別徴収は会社が給与から住民税を天引きして自治体に納付する方法で、会社にも副業分の住民税額が通知されます。一方、普通徴収は本人が自治体に直接納付する方法で、副業分の税額が会社に知られにくくなるメリットがあります。副業が会社に知られるのを避けたい場合は、確定申告の際に「住民税は普通徴収を希望」にチェックを入れるのが基本です。ただし、自治体によってはこの希望が通らないケースや、勤務先に届く書類の中に事業所得やその他の所得の記載があるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
税の徴収方法 | 説明 | 本業に通知される? |
---|---|---|
特別徴収 | 会社が給与から天引きして納付 | はい(副業分も合算で通知) |
普通徴収 | 自分で納付(自治体から直接請求) | 原則通知されないが、絶対に知られないとは限らない |
ただし、どれだけ対策を講じたとしても、何らかのきっかけで勤務先に知られる可能性はゼロではありません。リスクを理解したうえで適切に判断しましょう。
副業で得た収入が事業所得にあたる場合、確定申告は「青色申告」と「白色申告」のどちらかを選んで行います。白色申告は手続きがシンプルで、事前の届け出も不要なため、初心者にとっては取りかかりやすい方法です。また、白色申告でも一定の条件を満たせば「白色事業専従者控除」が適用され、家族に支払った給与を必要経費として計上することができます。
一方の青色申告は、記帳のルールが厳しくなる代わりに、大きな節税メリットがあります。特に「青色申告特別控除」は最大で65万円が所得から差し引かれ、税金の負担を大きく軽減できます。また、家族に支払った給与を経費として計上できる「専従者給与」や、赤字が出た場合に翌年以降に繰り越せる「損失の繰越控除」といった制度も活用可能です。
ただし、青色申告をするには、開業届とともに「青色申告承認申請書」を税務署に提出し、承認を受ける必要があります。記帳も単式簿記ではなく、原則として複式簿記による帳簿づけが求められるため、初めての人にはややハードルが高く感じられるかもしれません。
とはいえ、最近はクラウド型の会計ソフトを使えば、複式簿記もそれほど難しくありません。副業収入が安定している、または今後増やしていきたいと考えている人にとっては、青色申告は節税の面で非常に有効な選択肢となります。自分の副業がどの程度の収入規模かを把握し、将来の働き方も見据えたうえで、どちらの申告方法が適しているかを検討するとよいでしょう。
比較項目 | 青色申告 | 白色申告 |
---|---|---|
控除額 | 最大65万円 | 基本なし(※) |
記帳方法 | 複式簿記が必要 | 単式簿記でもOK |
事前申請 | 開業届+青色申告承認申請書が必要 | 申請不要 |
※白色申告でも「白色事業専従者控除」が適用される場合、一定の条件を満たした上で、配偶者は最大86万円、その他の親族は最大50万円までを必要経費として控除される可能性があります。
税理士に相談することで、自分の副業スタイルや収入に合った節税方法を的確にアドバイスしてもらえます。書類の作成や経費の判断、申告漏れの防止などもプロがサポートしてくれるため、手間を減らしつつ安心して副業に専念できます。
Wワークを行う会社員が税金で損をしないためには、「所得の種類」「確定申告の必要性」「節税の仕組み」を正しく理解しておくことが何より大切です。
そして、自分だけで判断しきれないときは、プロである税理士に相談することが最善の選択となるでしょう。副業を収入源としてしっかり活かすためにも、「税金で損をしない知識」を今日から身につけていきましょう。
税金や社会保険料で手取りが増えていきづらい、日本の全サラリーマンのために様々な節税対策に精通した税理士法人。「年収にあった控除対策」「出口戦略のある不動産投資」現状の課題を解決するための策は多様にあるので、数万円でも節税したいと考えているならば、お気軽に無料相談や確定申告代行(基本プラン22,000円)をご依頼ください。