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「自宅の固定資産税、なんとか経費にできないかな?」
「確定申告をすれば、少しは税金が戻ってくるのではないか?」
毎年、固定資産税の納税通知書が届くたびに、その負担の重さにため息をついている会社員の方は少なくありません。
結論から申し上げますと、固定資産税は条件次第で「必要経費」に計上し、節税につなげることが可能です。
しかし、目先の「数万円の節税」ばかりに気を取られていると、将来その不動産を手放す際、想定外の「数百万円単位の増税」に見舞われるリスクがあることをご存知でしょうか?
この記事では、固定資産税を正しく経費にするためのルールと、不動産オーナーなら絶対に知っておくべき「出口(売却)戦略の落とし穴」について、具体的な計算例を交えて解説します。
まず、固定資産税の取り扱いについて明確にしておきたいのは、この税金が「所得控除」には該当しないという点です。
医療費控除や生命保険料控除のように、個人の所得から一律に差し引けるものではありません。
あくまで「事業を行うためのコスト(必要経費)」として扱われます。
ご自身の状況が「経費にできるケース」に当てはまるか、整理してみましょう。
ご自身やご家族が住むためだけのマイホームにかかる固定資産税は、税法上の「家事費」、すなわち私的な生活費として扱われます。
そのため、残念ながら必要経費に算入することはできません。
サラリーマンの方が自分の居住用マンションに対して支払っている固定資産税は、年末調整でも確定申告でも還付対象にはなりません。
【よくある質問:在宅勤務(テレワーク)なら経費になる?】
「会社員だが、自宅でテレワークをしている。仕事部屋の分は経費になるのでは?」
この質問は非常に多いですが、結論としては「原則不可」です。
会社員にはあらかじめ「給与所得控除」という概算経費が認められており、個別の生活費を重ねて経費にすることはできない仕組みになっているからです。
固定資産税を経費にできるのは、あくまで個人事業主や不動産オーナーとして申告する場合に限られます。
一方で、不動産を所有している目的が「居住」ではなく「収益」や「事業」である場合には話が変わります。
ここからが、年収の高いサラリーマン投資家の方にこそ知っていただきたい「本質的なリスク」の話です。
毎年の確定申告で、固定資産税や「減価償却費」を経費計上し、不動産所得を赤字にして給与所得と損益通算する。
これは王道の節税スキームですが、実は「将来の売却益(譲渡所得)」を増やす行為でもあります。
不動産を売却した際の利益(譲渡所得)は、以下の計算式で求められます。
ここでのポイントは、「取得費」の計算です。
取得費とは「その物件をいくらで買ったか」という金額ですが、ここから「これまでに経費計上した減価償却費の合計」を差し引かなければなりません。
【具体的なシミュレーション】
例えば、2,500万円で購入したマンションを、数年後に3,000万円で売却したとします。
保有期間中に計上した減価償却費の合計が200万円、売却費用が100万円だった場合どうなるでしょうか?
このように、減価償却費(200万円)の分だけ取得費が減り、結果として課税対象となる利益が大きく膨らんでしまうのです。
「毎年の税金が安くなってラッキー」と思っていた減価償却費は、売却時に「取得費の減少」という形で跳ね返ってきます。
出口戦略では、この累積額を考慮したシミュレーションが不可欠です。
また、間違いやすいポイントとして「譲渡費用」の範囲があります。
売却時に仲介手数料などは経費(譲渡費用)になりますが、「保有期間中に支払った固定資産税」は譲渡費用には含まれません。
「売るために維持していたコストだから引けるはず」という自己判断は、税務署には通用しませんのでご注意ください。
さらに、不動産売却には「知らなかった」では済まされない、税率が激変するルールが存在します。
不動産売却にかかる税率は、所有期間によって大きく異なります。
| 区分 | 税率(所得税+住民税) | 所有期間の条件 |
|---|---|---|
| 短期譲渡 | 39.63% | 5年以下 |
| 長期譲渡 | 20.315% | 5年超 |
ここで落とし穴となるのが、期間の判定基準です。
「買った日から丸5年経ったから大丈夫」ではありません。
「売却した年の1月1日時点」で所有期間が5年を超えているかどうかで判定されます。
【危険なケースの例】
一見、「長期譲渡(約20%)」でいけそうに見えます。
しかし、判定の基準日は「売却した年(2025年)の1月1日」です。
この時点での所有期間は「4年10ヶ月」となり、「短期譲渡(約40%)」の税率が適用されてしまいます。
この数ヶ月の判定ミス一つで、税金が倍増し、手元に残るお金が数百万円変わることも珍しくありません。
契約日や引渡日を調整することで回避できる可能性があるため、自己判断は禁物です。
投資用物件や店舗などの「建物」を売却し、その売却代金(課税売上)が1,000万円を超えた場合、その2年後(翌々年)から「消費税課税事業者」になる可能性があります。
「自分はサラリーマンだから関係ない」と思っていませんか?
不動産投資を行っている場合、建物の売却は「事業としての資産譲渡」とみなされます。
特に、ご自身の事業などでインボイス登録をされている方や、過去に課税売上があった方は要注意です。
キャッシュフロー計画が大きく狂う恐れがあります。
固定資産税を経費計上して確定申告を行うことは、不動産オーナーにとって大切な権利です。
しかし、それは不動産経営のほんの一部に過ぎません。
本当に重要なのは、目先の経費だけでなく、「いつ、いくらで売り、最終的に手元にいくら残すか」という出口まで見据えたトータルの戦略です。
「自分の場合はどうなる?」と少しでも不安に思われた方は、ぜひ一度、税理士にご相談を検討してみるといいでしょう。
最後に、固定資産税と確定申告の関係で特に質問が多い点をQ&A形式で整理します。
「自分のケースに当てはめるとどうなる?」という視点で読み進め、該当する項目があれば、納税通知書や賃貸契約、面積資料などを手元に置いて確認してみてください。
いいえ、固定資産税は所得控除にはなりません。
所得控除とは医療費控除や配偶者控除など、所得税計算上で収入から差し引ける個人的控除を指しますが、固定資産税はその対象に含まれていません。
ただし、賃貸収入や事業所得がある場合には、その経費(必要経費)として差し引くことはできます。
ここは「控除」ではなく「経費」という点が重要です。
純粋な居住用の自宅だけにかかる固定資産税は経費にできません。
自宅は収入を生むための資産ではないため、税法上は家事費とみなされます。
経費計上できるのは、賃貸や事業など「収入を得る目的で使っている資産」に対応する部分のみです。
賃貸部分と自宅部分の床面積割合で按分する方法が一般的です。
たとえば建物全体の30%が賃貸スペースなら、固定資産税額の30%を必要経費に算入できます。
敷地の固定資産税も同様に30%を経費にできます。
空室期間があっても賃貸の用に供している限り按分割合は変わりません。
按分計算の根拠(面積比など)は記録しておき、説明できる状態にしておきましょう。
はい、空室期間で家賃収入がない期間でも、その物件を賃貸業務のために保持しているのであれば固定資産税は必要経費に含めて構いません。
固定資産税や火災保険料、管理費、減価償却費などは、入居者の有無に関わらず経費算入が認められています。
ただし、親族に無償提供している場合は賃貸ではないため経費不可です。
原則として、その固定資産税が課税(賦課決定)された年の経費になります。
ただし、第4期の納付が翌年になるケースでは、その分を翌年の必要経費として計上することも認められています。
たとえば2025年2月支払いの第4期分は2024年分経費とするのが原則ですが、2025年分経費に振り替えることも可能です。
いずれにせよ二重計上はできません。
どちらの年に入れたかを帳簿で管理しましょう。
給与所得者の場合、副業の所得(収入−経費)が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要とされています。
たとえば家賃収入から経費を差し引いた不動産所得が15万円なら、所得税については申告省略可能です。
ただし、確定申告しなくても住民税の申告は必要です。
20万円以下でも所得が発生している以上、市区町村への住民税申告(または会社を通じた住民税特別徴収手続)が必要になります。
また、医療費控除など別件で確定申告する場合は、20万円以下の副収入も含めて申告しなければなりません。
不動産所得では固定資産税以外にも多くの費用を必要経費にできます。
参考テキストに挙げられている代表例は次のとおりです。
借入金利息(ローンの利子)、火災保険料・地震保険料、減価償却費、修繕費、管理費・管理会社への手数料、水道光熱費(共用部や空室期間中の電気水道代)、広告宣伝費(入居者募集の広告料)、税理士報酬などがあります。
また、租税公課の科目では、登録免許税、不動産取得税、印紙税、事業税等も経費になります(所得税や住民税そのものは除きます)。
固定資産税と合わせて、漏れがないか一度見直してみましょう。
共有者それぞれの持分に応じて按分し、それぞれが自分の経費として計上します。
たとえば夫婦各50%の共有なら、固定資産税も50%ずつ経費に入れます。
代表者がまとめて払う場合でも、申告上は持分按分が原則です。
共有者の一人だけが全額経費に入れるのは認められません。
はい、確定申告後でも訂正は可能です。
経費計上漏れなどで本来より税金を多く納め過ぎた場合は「更正の請求」で申告内容を訂正し、還付を受けられます。
更正の請求は原則として法定申告期限から5年以内に行う必要があります。
一方、経費を入れ過ぎて税金を少なく申告してしまった場合は「修正申告」により不足分を速やかに納めます。
自主的に早く修正申告すれば、過少申告加算税がかからない場合もあります。
気づいたら放置せず、所轄税務署や税理士に相談のうえ、適切な訂正手続きを進めましょう。
固定資産税は「所得控除」ではありませんが、賃貸収入や事業所得がある場合には「必要経費」になり得ます。
まずは、あなたの不動産が「収入を生むために使われているか」、そして「家事用途と区分できるか」をチェックし、該当するなら按分根拠と証憑を揃えて確定申告で整理してみてください。
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